【なりちゃ・異世界探訪記】異界アクノロキア　異世界録

それは光と影の体を持つ
王は己の涙で海を作った
王の笏の一振りが世界を砕き陸が生まれた
王が砕けた大地の欠片を放り投げれば山が生まれた
王が笏を陸へ突き刺せば植物が生まれた
王が陸を駆け抜ければ風が生まれた
王の鱗と羽根から太陽と月が生まれた
最後に王は己の血から生命を産んだ

王は眠りについた
それから長い時が流れ、大地はときおり姿を変えた
尊く儚い生き物たちは死んでは生まれを繰り返した
それでもいまだ語り継ぐ
はじまりの日を忘れぬように
我らが偉大なる父
精霊王が再び目覚めるその時まで